| 明細情報 |
■ 日本人に多い胃炎 inflammation of the stomach / gastric inflammation
胃の病気は、世界の中でも日本人が飛びぬけて多いと指摘され、胃炎は日本人の成人の半数が患っているとのデータもあります。胃炎は、胃潰瘍、そして胃がんへ進行するとも言われています。胃がんでの死亡率は、日本は世界一で、アメリカ人の約10倍、韓国人の約2倍になっています。
胃炎の原因は、刺激の強い食べ物やストレス、胃酸過多にあるというのが今までの説でした。ですが、現在は、ピロリ菌であるとの説が有力になっています。ある研究では、ストレスが高くてもピロリ菌に感染していなければ胃炎にはならないそうです。またピロリ菌に感染していない人は、ガンにはならないというデータもあります。
日本人のピロリ菌の感染率は、子どもは低いのですが、20歳台から徐々に増え始め、40歳台から50歳台の人は5割、70歳台になると8割が感染していると報告されています。
■ ピロリ菌
ピロリ菌は、細菌=バクテリアで、正式名は、ヘリコバクター・ピロリです。
ピロリ菌は、発見されたのが1982年とほんの20数年程前のことで、実態についてはまだ研究段階にあり、毎年、新事実が報告されています。
感染ルートは、日本では食事のときやキスなどによって移るのではないかと言われていますが、まだはっきりしていません。
2006年の医療関係者からの報告によると、ピロリ菌が耐性をつけ除菌が難しくなってきている、薬の取り方を変える事により除菌率が高まる、体質によっては除菌できない確率が高い、などの報告もあります。医師から詳しい説明を受けるためにも、事前に最新情報を得ておくと理解が深まります。
■ ピロリ菌の検査 尿素呼気試験(UBT)
ファミリードクターで受診し、胃に問題があると診断されると、検査機関を紹介されます。検査は、検査所へ行けば、その場で尿素呼気試験法をしてもらえます。
検査の方法は、息をストローで試験管中に吹き込むだけです。結果は1週間後にファミリードクターに知らされます。
■ 薬でピロリ菌を除去
ピロリ菌がいると診断された場合、薬で菌を除去することができます。薬の処方箋は、ファミリードクターが書いてくれるので、それを持って薬局へ行き購入します。薬を渡されるときに、薬剤師から薬の飲み方についての説明があります。そのときにアレルギーがあったり、下痢をしやすい人は、確認をしておくと良いでしょう。

■ Hp PAC カナダで使われている除菌薬パックのひとつ
薬は、ひとつの箱に7回分入っています。毎日、朝食前に4カプセル、就寝前にえカプセル飲みます。食前とは、食事前から30分ほどを指すのが一般的です。胃の中が空っぽなので、薬の吸収が良いようです。薬を飲むときには水をたっぷり飲むようにします。飲む期間は、医師の指示によって異なり、通常は1週間から2週間です。

■ 薬の成分についての説明:
薬の成分は、以下の3種類になります。お薬110番のサイトに詳しい説明があります。
消化性潰瘍用剤: ランソプラゾール
マクロライド系抗生物質: クラリスロマイシン
ペニシリン系抗生物質: アモキシシリン
■ 薬の副作用
薬については、薬剤師から薬を渡されたときに、紙2ページにぎっしりと英語で書かれた説明書を渡されます。副作用は、下痢、便秘、湿疹、頭痛などいろいろあるようです。副作用がひどくなったときは、医師、または、薬剤師に相談するようにと、薬の説明書に書いてあります。
■ 除菌後の検査
除菌がうまくいったかどうかは、薬を飲み終わってから9か月か10ヵ月後でないと確実に判明しません。このため、医師によっては、再び胃炎の症状がでたら再検査を受けるように指示することがあります。
症状によっては、1ヵ月後、あるいは3ヵ月後に再検査を受けるように言われるかもしれません。その場合、検査のための書類が医師から渡されます。
■ 費用
メディケアに入っている場合は、医師の診察と検査は全て無料です。ピロリ菌がいると診断されると、除菌薬の処方せんを渡されます。薬は実費で、HpPACは税込みで2週間分は約180ドルです。
日本の国民健康保険は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんと診断された場合のみ、保険の対象となります。患者負担は1週間分3千円ほどだそうです(3割負担の場合)。もしも実費で受ける場合は、1万円以上するようです。
■ 体験談----------------------------------------------------------------
ピロリ菌陽性
胃が慢性的に痛くなったことから、ファミリードクターの診察を受けました。ピロリ菌の疑いありということで検査を受けたところ、陽性(Positive)の結果がでました。その時点で、1週間分の除菌薬を処方されました。薬を飲み始めるのは、専門医に診てもらい、痛みの原因を確実に発見してからとの指示がありました。
3週間後に専門医の予約がとれ、レントゲンやCTスキャン、胃カメラと生体検査が実施され、胃炎と診断されました。そして、処方箋は2週間分に変更されました。
より確実に除菌との意図だと思うのですが、抗生物質の量は2倍です。もしも除菌できなかった場合、最除菌することになりますが、除菌の確率は半分以下になってしまうようです。またもしも他の病気になったときに、この抗生物質をとったため、その病気の治療効果が下がると言う事が起きたらどうしようと不安でした。
専門医は、除菌率は95%と説明していました。でも、日本の情報を探すと、菌が薬剤に対し抗生を持つようになったことから除菌できる率は年々低くなっているとのこと。さらに、日本人は、肝臓の代謝能力が高い人が多く、その場合も除菌率が低くなるとのこと。肝臓の代謝能力とお酒に酔いやすいかどうかは関係ないそうです。
医師は白人で、いくらバンクーバーにアジア人が多いとはいえ、日本人の患者は少なそうで、このことを知っているのかどうかちょっと心配です。本当は、この情報を専門医に会う前に知っていれば、質問できたのにと思うと残念です。
薬の副作用
2週間、抗生物質を飲み続けるのは、抵抗がありましたが、現在のところこの方法がベストということで、薬を飲み始めました。朝晩、食事の前に飲む事、薬がコンスタンスに効くように飲む事とあったので、12時間おきに飲むことができるよう、朝6時午後6時前後に薬を飲む事にしました。
最初の数日は、おなかがゆるくなるぐらいでしたが、3日目と5日目に、頭がふらふらして道を歩いていると倒れそうな気分になりました。車の運転は、とてもできませんでした。そしてついに立っているのもしんどくなり、寝込んでしまいました。
あまりの副作用に、あらためて、薬の説明書を真面目に読みました。副作用は、頭痛と、変な味を感じると最初に書いてありました。頭痛は、幸いほんの少しあっただけです。空腹時にのどからこみあげてくる変な味は、胃液でしょうか? バクテリアの退治にともない、胃の働きが正常化して、今まで十分に出ていなかった胃液が出るようになったためのようです。
頭がフラフラすることについては、副作用ではなく、注意点として書かれていました。さらに、医師は副作用よりも、薬によって症状が良くなることを考慮してこの薬を飲むように指示したということが書かれていました。つまり少しぐらいの副作用なら、がまんして薬を全部飲みきるようにということだと思います。実は、みんな副作用で辛い思いをしているのでは??
その後、足がひどい筋肉痛になりました。筋肉痛も副作用の一つと説明書に書いてあり、夜、眠れなくなったら困ると思い、薬局に電話をして、市販の痛み止めを併用して良いかどうかを確認しました。
翌日、フラフラするのはだいぶおさまりましたが、今度は、速く歩くと息がきれるようになりました。
薬を飲み始めて6日目。胃炎の場所がまた痛くなってきました。バクテリアが最後のあがきをしているのか、抗生物質との戦いに勝ちつつあリ勢力をつけているのか、なんとも不安です。
薬を飲み始めて7日目。夜、ももの筋肉痛がひどくて眠れず、アセトアミノファンを1錠、飲みました。翌日は、さらに痛みが増し、1錠では効かず、2錠を2回飲みました。
2週間後に薬を飲み終えました。毎日、12時間おきに薬を飲まなければならなかったのは、ストレスが大きかったです。副作用もそれほどひどくはなかったので良いのですが、もう一度飲みたいかといわれたら、いやだと思いました。
薬を飲み終えて1週間たちました。まだ胃炎の場所が痛くて、本当に退治されたのか不安です。
カナダの医療システム
胃炎の診断がおりるまで、ファミリードクターに最初に予約を入れてから、いくつもの検査を受け、専門医に診てもらい、さらにいくつもの検査を受け、3ヶ月もかかりました。もしかすると、ほかに重い病気にかかっているのではと思った事もあり、精神的ストレスはかなりのものでした。日本だったら、ほんの数週間だったかもしれません。そう考えると、日本の医療システムは、優れていると思いました。
「
一方、ファミリードクター制度である事から、専門医とファミリードクターのふたりのドクターに診てもらっているという安心感があります。専門医に聞き逃した事を、あとでファミリードクターに聞ける事はよい事だと思います。
診察や検査の費用が保険で全部カバーされるカナダの医療システムは、とてもありがたいことです。薬は、Extended health に入っていたので、2割負担ですみました。
民間療法は、効き目に個人差があるのでは?
民間療法で、ヨーグルトや日本茶がピロリ菌の除菌に良い効果をもたらすというデータが最近出ているようです。ですが、効く人とそうでない人がいると思います。
わたしの父は、お茶を通常の人の何倍も毎日飲んでいますが、ピロリ菌は減っていないようです。わたしも、この2年間、毎日、花粉症対策としてヨーグルトをたくさん食べてきましたが、ピロリ菌は健在でした。
花粉症対策でヨーグルトを常食する人は、増えていると思いますが、もしもヨーグルトがピロリ菌除菌に貢献するならば、ピロリ菌による胃炎は減る事になります。
いずれにせよ、ヨーグルトを常食すると、腸に脂肪が蓄積され、おなかが異常にはるなど副作用があったり、腸の病気になりやすいと指摘する医師もいます。ヨーグルトで除菌を考える場合には、ヨーグルトの種類を厳選する必要があるかもしれません。
(ピーチジンジャー)
■ 参考 サイト)
ピロリ菌辞典まずこのサイトを読んで基礎知識を知ろう。
若いうちにピロリ菌を除菌することが胃がんを予防できると主張するサイト
ノーベル賞受賞のマーシャル教授談 ピロリ菌が胃潰瘍を引き起こす事を自分を使って人体実験し証明したときの談話
タケダ健康フォーラム タケダ薬品のサイトで、情報量が豊富で大変に分かりやすい
除菌を処方された方の体験談
これによると、日本とカナダでは、薬代はほぼ同じのようです。
ピロリ菌の有益な作用











