睡眠障害
| いびきが異常にひどい場合 |
イビキがひどく、よく眠れないという方がいたら、睡眠障害かもしれません。気道や舌の形に異常があったり、のどに脂肪がつきすぎていることが原因で、気道が狭くなり、空気が通るときの振動が音となったものがイビキです。
カナダでは140万人、アメリカでは1000万人が睡眠時無呼吸症候群だと推定されています。
日本では、約5万人がなんらかの治療を受けていると言われています。異常なイビキは、周りに迷惑をかけたり、睡眠不足になるだけでなく、高血圧や心筋梗塞のように健康を害したり命にかかわる病気を引き起こします。また、記憶障害のほか、仕事に支障を起こしたり、居眠り運転をする、夫婦関係にひびを入れるなど、人生を変えてしまうほどの深刻な問題を引き起こします。
日中、立っていられないほど眠かったり、車の運転が怖くなるほど眠気が襲ってくるようであれば、病院で泊りがけでの検査を行い、原因をはっきりさせないと、思わぬ大事故にあってしまうかもしれません。
→ 歯医者さんで治す イビキ
■ 検査
バンクーバー近辺では、UBCの大学病院 睡眠障害科で本格的な検査を受けることができます。検査は、体中に検査器具を付け、睡眠状態がどうなっているかのデータを出すため、一泊かけて実施されます。
多くの人は、睡眠中に300回から500回以上も10秒から20秒も呼吸がとまって、そのたびに眼が覚めるという結果に愕然とします。(数分に1回呼吸がとまり眼が覚める)。
■ 治療法
睡眠障害と診断されると、治療法が提示されます。ひとつは、パイプで鼻から空気を送り込む装置を口につける方法 CPAP (Continuous Positive Airway Pressure) で、もうひとつはマウスガード A mandibular splint or mandibular advancement splint です。 写真を見たい→CPAP スプリント
睡眠障害は、寝ている間に舌が気道をふさいでしまうことから起きます。酸素呼吸式の場合、鼻からパイプで空気を送りこむことで、呼吸を確保します。この場合、鼻と機械がパイプでつなれっぱなしになってしまいます。
マウスガードは、舌が気道をふさがないように下あごを前にひきだし、空気の通り道を確保するため、装着します。
マウスガードの価格は、2007年現在、約850ドルです。診察費や検査費は、メディケアに加入していればカバーされます。ただし、マウスピースそのものは、自己負担で購入となります。
Extended helth に入っている場合、契約内容によってカバーされる場合と、されない場合があります。カバーされていても、5年間に一度しか購入費がでないかもしれません。(マウスガードの使用期間は通常1年から長くても3年)。
■ 専門医
専門医は、バンクーバー近辺にはたったひとりしかいません。また、検査を受けるだけでも予約待ちが1年半近くかかる事があります。もしも治療を考えているようであれば、一日も早く予約を入れる事をお薦めします。
専門医に予約をするためには、まずファミリードクターかウォークインクリニックに予約をいれ、症状を説明し、専門医に予約を入れてもらいます。日本のように直接、自分で専門医に予約を入れる事は、カナダではできません。
マウスピースが壊れたときは、すぐに専門医に連絡し、修理、あるいは新しいものを注文します。修理は無料ですが、3年近く使っていると、寝ている間にまた壊れ部品を呑み込んでしまう恐れがあります。
新しいマウスピースを作るには10日間ぐらいかかります。
■ 市販のマウスガードの問題点
市販でも、自分で歯型をとって口にはめることができるマウスガードがあります。値段は十数ドルで、日本にも海外から輸入されています。
問題点は、マウスガードは、下あごを前に強く引き出すことで、舌がのどをふされるため、あごの関節が変形したり、歯が内側へ全体的に傾いたり、歯と歯の間が開いてくるため、素人治療だと、あごが異常に変形し、取り返しがつかないことになるかもしれません。
顎の異常な変形は、頭痛や肩こり、腰痛など、他の関節器官や神経に大きなダメージを与えると医師からの指摘があります。
使用に当たっては、医師にまず相談することをお薦めします。
■ やせれば、イビキはとまるか?
太っていると、のどの脂肪が厚かったり、より多くの酸素を体が取り入れる必要があり、このためイビキをよりかきやすくなります。
のどの脂肪を減らすため体重を落とせば、イビキを大幅に軽減させると、フランスの専門医師は指摘しています。体験者によれば、骨川筋衛門状態まで痩せなければいけないとのことですが。
■ マウスピースをはめれば、イビキは完全にとまるか?
マウスピースをすれば、劇的に症状は改善されます。ただし、ストレスが高い、お酒を飲みすぎる、風邪をひいて鼻が詰まるという条件が加わると、また大きなイビキをかいてしまいます。このため、日頃から、心身ともに健全に過ごせるよう、気配りが大切です。
寝ているときの姿勢は、上向きよりも横向きの方がイビキはかきにくくなります。寝ているときに上向きにならないように、パジャマの背中にテニスボールを縫いつけている人もいます。
■ 夫婦関係への影響
アメリカでは、夫のイビキがひどく、それが原因で妻の睡眠率が90%から73%に激減したというデータがあります。イビキを解消するため、夫が鼻から空気を送り込む装置を使ったら、妻の生活の質が、1.2から7へと大きく改善されたというデータを見ると、イビキがいかに妻の不満度を高めているか明確になります。
妻たちは、夫のイビキに耐える為、耳栓やイヤフォンをするなど、努力をしているようですが、最終的に夫婦別室を選ばざるを得なくなるようです。
カナダ、アメリカの白人の間では、夫婦がひとつのベッドで寝ることは、夫婦関係において大切な事のトップに入ります。パートナーのイビキがひどく別室で寝るようになった場合、夫婦生活がなくなる、愛情が薄れる、浮気や不倫がおきやすくなるなど、夫婦の間の溝がどんどん広がり、離婚率が高くなると報告されています。
日本では、夫婦別々の布団は普通ですが、そうではない北米で夫婦別室にする場合、夫婦のコミュニケーションがぎくしゃくしないように心がける事は、とても重要になります。夫婦別室にする前に、不和になる確率が高い事を話し合っておく事は大切です。。
参考文献 英語 Sleep apnea











