バンクーバーから東へ車で5時間のところにブリテュッシュコロンビア州最大の果樹園であり果物王国のオカナガンがある。
■ ワイン作りの立地条件

カナダでワイン農場というと意外なような気がするが、ワイン作りの立地条件としては、オカナガンは、カリフォルニアよりも恵まれていて、実際に、過去に世界的な賞をとっている。
ワインは、その地の気候や土壌によって味や風味が変わり、それがその土地独特のブランドとなる。例えば、暖かい地方では甘味が増し、寒い地方ではきりっとした酸味に仕上がる。
ワイン作りには、日射時間が大きなかぎとなる。たくさんの太陽エネルギーを浴びれば、甘味が増す。雨は、味を水っぽくさせ、特に、収穫の時期の雨は、味に打撃的な影響を引き起こす。
ミッションがあるオカナガンは、太平洋側のバンクーバーとの間に高い山脈が連なっている。太平洋側から雨を運んでくる雲は、この山脈にぶつかり雨を降らせてしまうため、乾燥した空気がオカナガンに入ってくる。このため、オカナガンは、降雨量が少なく、枯れ色の大地はカリフォルニアを思わせるように、乾いていて、杉の代わりにサボテンが生えていたら、ロスアンジェルス郊外と勘違いしてしまいそうだ。
気温は、内陸のため、夏は太陽で地表がガンガンと熱せられ、45度近くまで温度があがる。一方、冬場は大きな湖があるため、湿度が高く、ゆるやかな気温となる。
湖は、200km近くあり、その反射熱で、ぶどうはより太陽エネルギーを受けやすい。緯度が北海道よりもずっと北にあるため、夏場は、夜10時半をすぎないと真っ暗にならないので、日射時間も多い。
ブドウ畑は、湖を底辺にした谷の斜面に作られている。これは、太陽エネルギーをより均等に浴びやすくするためだ。
雨が少なく、農地は放置しておけば、荒地となってしまうが、湖から水を引いてスプリンクラーでブドウ畑に水を計画的に散水する事ができる。湖の水は、冬の間に山脈に降り積もった雪が解けて流れ込んだもので、たくさんのミネラルを含んでいる。
ワイン用のブドウを育てるための立地条件は、十分すぎるほどにそろっていて、あとの味の決め手は、収穫の時期を見定める事と、ブドウ作りの職人たちの技術による。
ミッション ヒルは、その中でも一番大きな農場のひとつ。丘の上にそびえたつ教会風の大きな美しい建物は、地元のうっすらとした赤錆色の砂をまぜて作ってあり、遠目にもよく目立ち、シンボルとなっている。創立者は、400年たった後、この農場がこの地に歴史的な第一歩をしるした証として、人々に愛され、月日がたてばたつほど格調を増すようにとデザインにはこだわったという。ワインを愛する心と経営哲学を感じる。
■ ワインツアー
ミッション ヒルの農場では、ワインツアーがある。日本ならワインツアーのスケジュール表が、受付付近に必ず掲示されているが、こちらはない。このため、受付に時間を確認し、予約をとる必要がある。ツアーは、ワインの貯蔵庫の中を見学するものと、ブドウ畑説明コースがある。
貯蔵庫のツアーは、ワイン農場の歴史や、ブドウ農場の立地条件についてビデオで説明がある。大変に充実した内容で、一見の価値あり。最後にはワインの試飲があって、ひとり5ドル。一回のツアーの定員は25人ぐらいなので、混んでいる時期は、早めに予約を入れておいたほうが良い。時間は30分ほど。
試飲は、私達が参加した日は、白ワイン2種類と赤ワイン1種類だった。ワインの味わい方を説明してもらえるので、ワイン初心者には、お薦めしたい。子どもには、フルーツジュースが振舞われる。
ワインツアー以外にも、店内のカウンターで試飲ができる。3種類3ドルから。

■ アイスワイン
ワインの収穫を冬場まで遅らせ、寒さの中で味が濃縮されたブドウから作ったアイスワインは、カナダワインの特産だ。オカナガンでも、寒さが厳しい冬だと、そんなブドウが収穫できるが、ここ最近は、暖冬の影響で残念ながらアイスワインが作れなくなっている。
もしも、アイスワインを試したいなら、ナイアガラ滝のある地方のワインがあり、ここは世界的に有名。
■ オカナガンへの行き方
バンクーバーからオカナガンへのルートは、いくつかあるが、今回は、風光明媚なコースを満喫するため、行きと帰りに違ったコースを使ってみる。
→ Google地図
バンクーバーからローヒード ハイウエイを利用し、ホープ、マイニングパーク を通って、5A, そして74Cからケロワナへ行くコース。約400kmで4~5時間ぐらい。
バンクーバからは、7番のローヒードハイウエーを走る。フレーザーリバー沿いに進むため、川沿いの美しい景色が見られる。
ホープで、ナンバーワンロードと合流する。
途中、9番ロードで北上すると、ハリソン湖があり、カナダでは数少ない温泉があることから観光地になっている。温泉は、プール式なので、水着が必要。
■ マニング パーク
ホープをさらに東へ行くと、マイニング パークがある。マニング パークの入り口には、鹿の大きな立て看板のようなものがある。ここからプリンストンまでは、鹿がたくさん生息している。目を凝らしていると林の中に鹿が見える。突然、鹿が道に飛び出してきて、大きな事故になるかもしれないので、運転には十分注意しよう。
マイニングパークは、4月下旬頃まで、凍った湖が見られる。もしも、公園のゴミ箱が地面の上に転がっていて荒らされていたら、クマの仕業だ。近くに雪が残っていれば、クマの足跡が雪の上についているのが見られるかもしれない。
湖の近くでお昼を食べていると、鳥が集まってくるかもしれない。人馴れしていて、食べ物に果敢にも飛びかかってくるかもしれないので、小さな子どもがいるときには、注意が必要。

マイニング パークには素敵なロッジがあるが、その駐車場付近には、マーモットが穴の中から姿をあらわしてチョロチョロしているので、休憩に立ち寄ってみるとよい。

夏場は、ここに一泊して、近くの山を散策するのも楽しい。釣りが好きな人は、フライが楽しめる。必ず釣り許可書をえさを買うときに購入しよう。これがないと高い罰金を取られる。
ここからさらに東へナンバーワンロードを走り、プリンストンを通過。
■ 小さな湖が散在
オソヨースで、97を北へ向かう。南に行ってしまうと、数キロ先はアメリカとの国境。
97を北上し、ペンティン九トンへ向かう。途中に小さな湖がいくつか静かに水をたたえ、牧場が見える。

■ 観光の街ペンティンクトン
ペンティンクトンは、約200キロに渡るオカナガン湖の最南端の観光地。湖のそばは、ぜひ散策してみたい。1914年から20年間使われていた汽船が展示されている。夏場は、巨大なモモ型のアイスクリームスタンドがオープンする。
インフォメーションセンターでは、ワイン農場の資料を無料でもらえる。地図がついているので、必ずもらっておこう。
泊まり先は、ホテルの他、湖沿いにたくさんのモーテルがある。モーテルは、ホテルのようにロビーやレストランがなく、部屋だけを貸し出している。料金は安い。カジノのあるホテルも、湖沿いにある。
ラマダインは、湖からちょっと離れているが、観光シーズンでなければ、ダブルの部屋が税込みで140ドルぐらいで泊まれる。観光シーズンは300ドル以上で、人気あるホテルなので予約がとりづらくなる。お風呂のバスタブがやや広いのが嬉しい。ただし水圧は、水が貴重な地域だけに低い。

冷蔵庫の隣には、野菜や食器が洗える洗い場があるので、街のスーパーでサンドイッチの材料を買っておけば、朝は、中庭に面した部屋専用のポーチで、スターバックスのコーヒー(部屋にサービスで置いてある)で、リッチな朝食が取れる。
中庭付きなので、一階の部屋が予約できれれば、部屋から中庭へ直接出られる。小さいが屋外温水プールとジャグジーがある。春先でも泳げるので、水着を持っていこう。
■ レストラン
夕食は、湖に近いメインストリートと、それに平行したマーティンストリート付近にレストランが集まっている。双方の道は片道通行になっている。
ギリシャ料理のTheozは、ギリシャレストラン特有の大きな家を改造した作りになっていて、それぞれの部屋の雰囲気が異なっている。混んでいる時期や週末は、予約をしておいたほうが良い。
有名なギリシャ料理
スープ アヴゴレモノ Avgolemono チキン、レモン、卵とお米のライス スープ
前菜 スパナコピタ Spanakotiropita フェタチーズとほうれん草のパイ
ティロピタ Tiropita チーズパイ
Dolmathes Avgolemono ご飯とひき肉、ハーブをブドウの葉で包んだもの
シーフード Kalamarakia イカのマリネ焼き
主菜 ムサカ Mussaka ナスとひき肉、チーズ、ジャガイモの重ね焼き
Souvlakia 鶏胸肉、あるいは、牛肉の串焼き
PaithakiaSkaras 羊肉焼き
デザート Bougatsa オリーブオイルにどっぷりと漬けた水分の少ないシナモン クレープに生クリーム。おのすごく油っこいが、不思議に美味しい。一皿でふたり分ある。
値段は、主菜は20ドル前後、それ以外は、6ドル前後。主菜は、二人用盛り合わせセットが45ドルぐらいである。
687 Main Street
Penticton BC
250-492-4019
eatsuid.com
■ 果樹園

オカナガン湖を北へ北上すると、湖に沿ってたくさんの果樹園がある。
その年の気候にもよるが、バンクーバーでソメイヨシノが咲き終わり、八重桜が満開の時期なら、オカナガンでは、果樹園の梅や桜は、つぼみが開き始める。満開まではあと1週間ほどか。一般の庭のモモなどは満開で、山には雪が残り、春の草花が咲き始め、木々は、まだ枯れ枝の木もあれば、若芽が吹き出している木々もあり、季節の移り変わりを感じるドラマチックな風景が楽しめる。

真夏は、気温が45度まで上がり、相当に暑い。
ミッション ヒルのワイン農場は、ウエストバンクにある。Boucherie Roadを左折。そのまま5キロ進み、Mission Hill Roadで右折し、丘の一番上へ進む。 地図はこのページの一番下
この地域には、すばしっこく走る鳥カンムリウズラのクエィルが住んでいる。大きさは、ハトぐらいで、頭の先に丸いチョンチョリンのような飾りがついているのが特徴。飛ぶ事もできるが、体が丸くて大きいので、走るほうが得意そうだ。

■ インディアン保護地区
ルート97を更に北上し、ウエストバンクを過ぎると、ケロワナへ渡る橋がある。ウエストバンクの手前に帰りに使うルート97cがあるので、場所を確かめておくと良い。
ケロワナには、カナダでは唯一の砂漠というか荒地がある。インディアン保護地区なので、砂漠地域には残念ながら立ち入る事はできない。
インディアンの博物館があるので、興味ある人は立ち寄ってみよう。

さらに97を北上していくと、オカナガン湖とは別の小さな湖がいくつかある。
一番北のカラマルカ湖の北東に自然公園がある。

ここでキジが観られるかもしれない。甲高い大きな鳥の声がしたら、キジに違いない。キジは、木の上ではなく地面にいるので、探すなら地面近辺や道近辺だ。

運がよければ、青い鳥も見られる。
歩いたりジョギングが好きな人なら、往復1時間ぐらいから半日コースがあるので、サンドイッチや飲み物持参で訪れてみたい。駐車場は2時間1ドルから。コインを用意しておこう。
オカナガン湖の最北端の街はバーナンになる。ガソリン料金が、急に高くなるので、その手前のレイク シティがオカナガンでは一番低価なので、給油するとお得。
■ 山脈の中の道
帰りは、ケロワナの橋を渡って戻り、ウエスト バンクの先の97cのコースを通ってみる。
途中でルート5Aへの分かれ道がある。
ルート5Aは、ひたすら山脈の中を走る。途中に牧場がいくつかあるが、ひとつの牧場では、鹿を飼っている。
ガソリンはないので、満タンにしておこう。途中、人工的な感じの丘があったら、それは、鉱山の中からどけて取り出した土を捨てたものだ。
途中でルート3に合流し、そのあとは、シルバークリークで、ナンバーワンロードに合流する。
チルワック は、ナンバーワンロードで走り始めた後、到着する最初の大きな町。食事をするならここでしよう。
あとは、ひたすらバンクーバーへ向かって走る。
Lougheed Hwy → Vancouver → Harrison Lake →No.3 → Hope →Minning park →Princeton → Osoyoo →No.97 →Penticton → Okanagan Lake →West Bank →Kelowna →Mission Hill→ Vernon
Vernon →Kelwna →West Bank →97c →No.5a →No1.road →Chillwack












